令和7年 お松曳の様子

丹波山村で正月伝統のお松曳が開催されました。これまで1月7日に行っていましたが、昨年の1月7日が日曜日で多くの人に参加して頂いたこともあり、今年は三連休の土曜日開催となりました。伝統のお祭りの日を変えることに文化財保存会の方々も悩んだそうですが、村の人口減少や高齢化により引手の確保が困難になることで、お松曳自体が出来なくなってしまうことを避けるためにこの日になったそうです。「日は変わっても本来の意味は忘れないように」との保存会 青柳会長さんの言葉が印象的でした。

お松曳はお松様を組み立てることころから始まります。朝から各戸から持ち寄ったしめ縄を引き綱に編み込み(縄ない)、松を修羅(しゅら)とよばれる木ぞりの上のやぐらに挿していきます。やぐらの中には人が入れるようになっていて、笛や太鼓の人が入って演奏します。

お松曳とは、修羅と呼ばれるY字型の木ぞりに、門松などを飾り付け、熊野神社前から道祖神までの約400mを人々がひっぱる行事です。神聖な伝統行事ではありますが、この行事には男女の出会いの場の意味合いもあり、力持ちだけどシャイな男子が女子の前でその力自慢を披露する場でもあったようです。

正午過ぎに今年のお松様が完成。毎年、干支の張り子が飾られますが、こちらは文化財保存会の会長さんの手作り!今年は蛇年にちなんだ幸運の白い蛇。毎年凝った造形の張り子が飾られます。お松様の周りにつるされた白い紙は、寄付金をしてくださった方々の名前と金額が記されています。お松曳の始まりや、途中休憩の時に読み上げられます。村外の方でもご寄付は可能なので、推し活されたい方は是非!

お松曳開始の前に岡山県新庄村の方々による餅つきと振舞がありました。なんと、岡山県から車で山梨の丹波山村までお越し頂きました!本当に遠路はるばるありがとうございました!突き立てのお餅は超柔らかく美味しく伸び伸びの食感で最高でした!

お松様に繋がる長ーい引き綱が延ばされ、木遣り唄(木を材として山から引き出す時の労働歌)と共に令和7年のお松曳が始まりました。今年の参加者数は昨年とほぼ同様とのこと。引っ張るのにはかなり力がいりますが、初めて参加する人は「こんなに速いの!?」と地面を擦って動くお松様の姿に驚く人もいました。

お松様が曳かれる国道411号沿いには、婦人会の皆さんのけんちん汁や、地域おこし協力隊員の作る中華ちまき(丹波ちまき)、鴨沢のクラフトビール Wolves BrewingTABA CAFEのクラムチャウダーなどにぎやかなブースが出店しました。灯里のおでんとよもぎ餅も美味しかった!そして、お松曳名物、1個1000円の升を購入すると文化財保存会のメンバーが振舞酒を注いでくれます!(飲み放題なので呑みすぎ注意)

お松曳は何度か途中で止まり、各所でミカンやお餅、お菓子の振舞があります。建物の二階や役場の踊り場から次々と投げられる縁起物。ミカンは当たると結構痛いので帽子はかぶっていた方が良いです。

今年も無事、宿の端の道祖神まで到着!綱を引いてくれた皆様、そして、交通整理にご協力頂いた車やバイクの皆様、本当にありがとうございました。本年が良い年になりますよう、後日行われるお焚き上げまで道祖神の前で鎮座しています。丹波山村をお越しの際は、お松様を是非ご覧ください。

※お焚き上げは雪の降る日や風のない日に行われるので、何時行われるかは未定です。予めご了承ください。また、その時も国道411号線の一部が交通整理となります。こちらも併せてご承知ください。